迷彩の上の汚し

僕の拙い模型キャリアの中で今最も難しいと感じているのは、迷彩柄の上の汚し塗装ということであります。
特にWW2当時の独軍の迷彩は、複雑で緻密な柄を念入りに描いており、その中でもこのキングタイガーに描かれた斑点迷彩といわれるアンブッシュパターンは、3色に塗り分けるだけでは飽き足らず、その上に更に斑点を描き込むという念の入れよう。ある人によれば、劣勢に立たされた勢力ほど念入りな迷彩塗装を施すそうな。よっぽど臆病な兵士だったのか、それとも既に戦闘云々よりも迷彩パターンそのもに芸術性を見出してしまったのか?  と思ってしまう程の凝った柄であります。
さて「汚し」の王道といえば、黒に茶とバフもしくはフラットアースなんかを混ぜた「汚色」をウォッシングしたり垂らしたりするのですが、ベースになる迷彩柄に茶もベージュも存在するし、かつ、斑点でまんべんなく散りばめられているので、少々「汚色」を塗っただけでは、まったくといって良い程分からない。そこで重力方向に雨垂れのようにシミを作る、これまた王道の綿棒拭き取りを試みるも、これもまた一色の色に塗られた面に強力な効果を発揮するものであって、3色斑点迷彩には歯が立たない。
記録写真などを見ても、白っぽい砂塵の汚れが一番目につくので、模型製作的にも最後の仕上げ段階一歩手前で勝負がつくと思った方がよさそうですな。
汚しの延長線上にある経年劣化、模型的言うところのエイジングの王道と言えば「錆び」。車体表面に浮き出た錆びは間延び防止措置としては便利なのですが、これも3色斑点迷彩には非力このうえない。ということで、マフラーを集中的に錆びさせました。
写真で見直すと、もうひと頑張りといった印象。もう2段階ほど暗い色をタッチすることにします。

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