フィギュア塗装開始!

お待たせしました。
やるやると言いつつなかなかアップできなかったフィギュア塗装編です。
こちらにお寄せいただくコメントやメールで一番多いご質問がこのフィギュアの塗装方法でして、フィギュアなんてAFV模型の“添え物”的位置づけかと嘆きつつも、こんなに多くのフィギュア関連メールいただくにつれ、このブログのコアな読者諸氏のなかでは、意外に高い位置づけにフィギュアが置かれているのだなと感心しております。

さて、そんな方々の熱いご要望に応えるべく、こちらも熱い記事を載せようと試行錯誤しておるのですが、なかなかに上手く伝える表現が見つからず、ありきたりな写真と文章に終始してしまいそうで、あらかじめ「すまん!フィギュアファン達よ」とお詫び申し上げておきます(笑)

・・・って、いつもながらに、しゃあしゃあと塗装編スタート


いきなり塗装とは直接関係ないのですが、やっぱり上手くなる為には人の真似をしまくるのが絶対必要だと思っております。「パクリ」と揶揄されることもしばしばですが「天才でもない者がパクリ無しにどうして上達するのじゃ!」と声を大にして言いたい。まあ、「真似」とか「パクリ」と言うと言葉が悪いので、ここでは「模写」と言いましょうか。偉大な画家や作家たちはみ〜んなこの作業をやってきている訳ですしね。
ちなみに左の写真はいま僕が一番気になる作家ジョン・ローゼングラント氏の作品(ココに作品写真アリ)ダグラス・リーの作品のようなストーリーとか動きは無いのに、強力に吸い込まれるような写実力に惹かれております。右はタミヤMM「アメリカ歩兵攻撃セット」の空箱。誰が描いたかは知らないけどずば抜けて上手いこのボックスアートは、肌の色合い、影の落ち方、顔の肉付き、などフィギュア塗装の参考になる要素が満載されてて、筆塗り(たぶんアクリル絵具)だけで描かれているので、筆運びとか色の重ね方がよく分かるのです。ちなみにドラゴンのフィギュアキットの箱絵、僕的にはぜんぜん参考になりません。最近のマスターボックスの箱絵はかなりイケてるのですが、リアル過ぎてフィギュア塗装の参考にはちょっとハードルが高すぎる感じです(絵としては凄く好きですけどね)。


フィギュアの(顔の)塗装に必要な油絵具はこんな感じ。
左から
「バーント・アンバー(焦茶)」
「バーント・シェンナ(赤茶)」
「イエロー・オーカー(黄土色)」
「カドミウム・イエロー・ヒュー(黄)」
「パーマネント・クリムゾン・ラーク(赤)」
「ジンク・ホワイト(白)」
「アイボリー・ブラック(黒)」
の7色。
写真のものは「ウインザー&ニュートン」の物ですが、たとえばホルベインクサカベなどどこのメーカーのものでも問題はありません。基本的な12色セットであれば、ほとんどこれらの色は網羅されているはずです。価格は戦車模型一個分ぐらいでしょう。

  

最暗部の「影色」はこんな色。「バーント・アンバー(焦茶)」:「バーント・シェンナ(赤茶)」:「イエロー・オーカー(黄土色)」を5:2:1ぐらいの割合で混色。


基本色となるラッカーのダーク・イエローを塗ってしっかり乾燥させた後「影色」を凹んだ部分に塗ります。ここで大変な事になったと焦りましょう(笑)


なんか、前にも同じような記事を書いたような気になってきましたが・・・。塗り過ぎた余分な絵具を除去したり伸ばしたりしつつ、綿棒で凸部分を重点的に拭き取ります。ここでの拭き取りは、溶剤などを含ませずに、乾拭きで済まします。


う〜ん、ここまで書いて、やっぱり分かりにくいな〜って思ったり。
う〜ん、とりあえずこの写真。右半分だけ乾拭きで拭き取りした状態です。分かるかなぁ〜?
ただの茶色い顔が、絵具の濃淡で凹凸が強調されております。顔半分を手で隠して比べてみてください。
ここまでは誰でもできるごく簡単な作業です(よね?) がこの後が難しくて説明もしにくい!


顔の出っ張っている明部に使う「肌色」3色。「カドミウム・イエロー・ヒュー(黄)」に混ぜる「ジンク・ホワイト(白)」の割合を段階的に増やして明度を上げていっています。最明部は白に微かに黄色が感じられる程度の「黄ばんだ白」という感じでしょうか。


ブレンディングを分かりやすく説明するための苦肉の策。ダーク・イエローの塗料瓶のフタで練習してみました。
ダーク・イエロー地に「影色」を塗った上にハイライトの「明色」を“点”で置いていきます。ここでは“塗る”のではなく”置く”感じで絵具を付着させるのがポイント。


点で置いた絵具を乾いた筆でごく軽く「圧し潰す」感覚で「影色」とブレンディング。ここでも”塗る”筆運びはしません。


こんな感じになります。・・・分かったかなぁ〜〜〜???


上で塗料瓶のフタでやった作業をフィギュアヘッドでやるとこうなります。


で、そのブレンディングの要領を踏まえて、頬の赤味とか髭剃り跡などを描いていくとこんな感じにな仕上がります。ここは以前のこの記事と併せてご覧いただくと分かりやすいかも知れません。


もうひとつヨイショっと。戦車長でございます。
はぁ〜やっぱりフィギュア塗装の解説は難しいなぁ。しかし懲りずに次回は顔以外の塗装編をお送りします!!

コメント

  1. OUT より:

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    初めまして、感激のあまりお邪魔致します。
    ものすごくわかりやすい講座をありがとうございます!
    今度油彩を使ってみたいと思っておりましたので、とっても勉強になりました。
    独特の、赤味のある肌が味わい深いですね~。
    是非やってみようと思います。
    ありがとうございましたー! (*´∇`*) Like

  2. plamolog より:

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    OUTさん初めまして!
    顔の塗装方法わかりやすかったですか。良かった!!
    油彩を始められるとの事で、お仲間が増えるようで嬉しい気持ちです。
    油彩は取っ付き難い印象が強いみたいですが、
    表現の幅が広くて便利で使いやすいから、多くの画家が今でも使ってるんですよね。
    根気よくやれば絶対誰でも上手くいくはずです。
    迷ったらまたコメントください! Like

  3. mp44-afv より:

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    お久しぶりです!!
    顔塗装、感動しました!!
    油絵の具は持っているのですが、塗り方の基本が分からず
    埃を被っていました・・・
    写真を参考にしながら早速塗ろうと思います。
    服の塗装編も期待してます! Like

  4. ぷらもぱぱ より:

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    いや~本当にありがとうございます!!大変勉強になりました!! Like

  5. plamolog より:

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    >mp44-afvさん
    そういえば油彩の塗り方って雑誌とかであんまり詳しく紹介してませんよね。たぶん広告とかタイアップとかのメリットが無いからでしょうが、
    もっとやってほしいですね。
    ここが参考になって上手くいけば良いのですが・・・
    油彩作品できたらブログにアップしてくださいね。期待してます!! Like

  6. plamolog より:

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    >ぷらもぱぱさん
    勉強になりましたか?! 良かった良かった。
    そう言っていただけると励みになります。もっと調子にのっちゃいますよ〜。褒められて伸びるタイプなんで(笑) Like

  7. FURY より:

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    すごいですね。
    油絵の具を使ったら、こんなに生き生きとした表情になるんですね。私は、アクリル絵の具を使っていますが、なかなか生き生きとした表情になりませんでした。油絵の具を使ったら、まるで生きているような顔になることを知れたので、良かったです。 Like

  8. plamolog より:

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    >FURY さん
    遅レスすみません
    私も最近はアクリルを使うことが多いのですが、油絵の具特有の色の深みはほかの画材では真似できませんよね。 Like